2024年度にラオス、ミャンマー、バングラデシュがLDC卒業へ
こんにちはアパレルアイの海内孝治です。
今日から8月です。当社は本日から新しい期のスタートです。また新たな気持ちで一からの積み重ねです。新しい事にもどんどんチャレンジしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
さて今回は東南アジアのモノづくりについて、気になるニュースが飛び込んできましたので紹介させて頂きます。
目次
- LDCとは
- 縫製業とLDC
- LDC卒業へ
- まとめ
LDCとは
後発開発途上国(Least developed country)の略でLDCです。
国連が定める分類で、開発途上国の中でも特に開発が遅れている国々の事です。
2018年の2月時点において東南アジア、アフリカなどを中心に47か国あります。
LDCは当該国の同意を前提として
1.一人当たりの国民総所得水準。
2.人的資源開発の程度を表す指標。
3.経済的に脆弱性を表す指数。
の3つの基準に置いて一定値に達しない国が認定されます。
認定を受けることで、関税の優遇措置やLDC向けのODAを積極的に受けられるといったメリットがあります。
縫製業とLDC
私たちアパレル業界では『チャイナプラスワン』の声のもと、東南アジアでの縫製を進めてきました。価格競争が激化する今日の日本では関税の優遇措置が受けられるLDC諸国での生産無しでは考えられない状態になっています。
2017年の日本への輸出額は、カンボジア8億7,7765万ドル、ミャンマー7億1,638万ドル、ラオス3,832万ドルとなっており、2010年と比較するとそれぞれ10.4倍、3.9倍、3.6倍に増加しています。
こう見てみると特に私たちとなじみの深いカンボジアが特に急増していますね。
LDC卒業へ
国連貿易開発会議(UNCTAD)は2018年3月にバングラデシュ、ラオス、ミャンマーがLDC卒業の要件を満たした事を発表しました。再度2021年に卒業要件を満たすことが出来れば、2024年にLDC卒業となります。
また、決定していませんがカンボジアもその3年後の2027年に卒業では?とも言われているようです。
LDCを卒業することで、特別特恵関税を利用できなくなるので、日本への輸出で関税の優遇を受けるためには別の制度を利用する必要があり、私たちアパレルメーカーにも大きな影響が出ると思います。
まとめ
特別特恵関税の優遇は無くなるものの、中国などの他の生産地と比較すると安価で豊富な生産力があることは間違いありません。
また労働者の生産性の向上やインフラの整備も加速する事でしょう。
日本へのリードタイムを考えると私たちレディースアパレルではこれ以上遠くに離れることは難しいとも考えられます。
品質が安定しリードタイムが短い中国へ帰る事や、また新たに新疆地区という選択肢も浮上しています。
どのように舵を切るのか?ミャンマー、ラオス、バングラデシュがLDC卒業が決定する2021年まであと3年です。
海内 孝治
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