カンボジアの生産についての考え方|レディースパンツができるまで
こんにちは海内孝治です。
これまでカンボジアのことについて2週続けて紹介させて頂きました。
カンボジアは日本からの距離も遠く、また生産性を考えても決して大きなメリットがあるわけではありません。他の東南アジアの国々でも生産することは可能です。
ではなぜ今カンボジアで生産しているのか?考えてみたいと思います。
目次
- 中国生産が便利なのに?
- 東南アジア諸国
- なぜカンボジア?
- まとめ
中国生産が便利なのに?
そうです。やっぱり中国生産が便利なんです。
輸送期間が短い事や生地や付属などの原材料のほとんどが揃う事。
また勤勉な人が多く、知識や技術、経験のある人材が多いのも大きなメリットです。
一方で、中国では環境問題、人手不足、キャパ不足、それらが原因となり生産コストが高騰しており数々の問題があります。
これまではモノづくりの大きな拠点でしたが、どんどん中国でのモノづくりが難しくなっています。
東南アジア諸国
では中国に続いてどこで生産したら良いのでしょうか?
現在当社でもベトナム生産に力を入れておりますが、ベトナムも有力な生産拠点のひとつです。※詳しくはベトナム編をご覧ください。
急成長する国ベトナムの繊維について
https://blog.apparel-ai.com/overseas
他にはバングラデシュやミャンマー、ラオスなどそれぞれの国でアパレル製品の生産が進んでおります。それぞれの国によって輸送期間、課税、工賃、資材の調達方法などで条件が違うので、合う先を見つけていかないといけません。
東南アジアの国々も少しずつ生産の環境が整ってきていますが、それは最低賃金が上がり、コストが上がっていくことに繋がっています。
なぜカンボジア?
かつての内戦が続いた時代から25年ほど経過し、安定した政治環境となっています。
日本からのODAの影響もあって親日国家であるため、日本に対して好意的なイメージがあります。また、人口の約60%を25歳以下の若年層が占めおり、労働力が豊富なことも要因のひとつです。カンボジアは東南アジアのなかでは輸送期間が短く、船の場合約2週間で日本に到着します。
またジーンズなどカジュアル商品が得意な国で世界各国のジーンズを生産しています。
まとめ
実はカンボジアにはカンボジア人が経営する工場は無いとも言われています。
歴史編でお伝えしたように、約40年前の悲しい歴史によって知識や経験のあるマネージャー候補の人たちや熟練工は虐殺されてしまったのです。
その影響からかカンボジア政府は外国企業の進出を積極的に促進しています。
最低賃金が急激に上がれば外国企業は他の東南アジアの国に生産拠点を移してしまうリスクがある為、極端な賃金の上昇が少ないと考えられています。
私たちはコストメリットのみでカンボジアを選んでいるのではなく、利便性、そして素直で優しい国民性も含めて選んでいます。当社のモノづくりを通じて、若い人材が育ち、共に発展していく仕事ができればと考えております。
海内 孝治
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