ダウン(羽毛)価格の現状について解説!
アパレルアイの桑田です。
今回はダウン(羽毛)の価格について解説したいと思います。
- 過去10年のダウン価格変動
- 急騰による影響
- まとめ
過去10年のダウン価格変動
過去10年、ダウン価格は大きく変動しています。
2008年はリーマンショックの影響で暴落しましたが、徐々に需要がたかまり2008年以前の価格へと戻りました。しかし2012年の大寒波で世界的にダウン商品の需要がたかまり価格が急騰しました。その後は2014年をピークに下落傾向にありましたが、鳥インフルエンザや中国の環境規制強化により羽毛加工場閉鎖で供給が不安定になりました。加えてダウンブームも後押しし2016年後半から再び価格が上昇し高止まりしています。
急騰による影響
この高止まりの影響で、2016年と2018年のダウン価格を比べると20%~30%上昇しており、各社価格転嫁に悪戦苦闘しているのが現状です。価格を下げるためにダウン比率を下げ、中綿(なかわた)やポリエステルを入れて対応する企業や、中には大量の薬剤を使用し安価に羽毛を生産する「グルーダウン」もあります。このグルーダウンは粘着性のある薬剤を大量に使用し糸やほこりを付着させダウンのカサ増しを行います。人体に有害な物質も付着しており、日本羽毛製品協同組合はグルーダウンについて「安全性の観点から使用を認めない」と組員に注意喚起したそうです。
まとめ
当社も今年の冬用にダウンパンツを企画生産しております。企画段階(2017年後半)から比べるとみるみる価格が上昇したのを覚えております。このような状況ですので今シーズンもそうそう安価な商品が出てくることは無いと思いますが、極端に安いダウン商品にはくれぐれもご注意下さい!
桑田 義久
最新記事 by 桑田 義久 (すべて見る)
- 織編組織名の由来について解説!第一弾はモザイク柄! - 2019年6月20日
- 5月の百貨店商況! - 2019年6月6日
- 台湾出張してきました! - 2019年5月30日
ブログの読者になる
メールで受け取ることができます。
関連記事
SDGsな繊維【ベンベルグ】
福永 浩士
紡績について解説します。
海内 孝治