まだまだ浸透してない?!|新洗濯絵表示について
みなさんこんにちは!アパレルアイの海内孝治です。
私たちの会社に消費者のお客様から直接お電話を頂くことがあります。
商品や販売店についてのお問い合わせが多いのですが、先日新しい洗濯絵表示がわかりにくいとお電話を頂きました。
確かに!商品を作る立場の私たちでもわかりにくいところがあります。
長年使い馴染んだ以前の洗濯絵表示の方がわかりやすかったと思われる方も多いはず。
ではなぜ洗濯絵表示を新しくする必要があったのでしょうか?
今回はそのあたりについて考えてみたいと思います。
目次
- 新洗濯絵表示について
- 国際規格の表示方法
- 意識しておきたいもう一つの大きな変更
- まとめ
新洗濯絵表示について
『新』といっても平成28年12月1日施行ですから、既に一年以上が経過しており、店頭には新絵表示のついた商品が一般的には並んでいます。
しかし以前のわかりやすい絵表示から記号のような絵表示に変わり一年以上たった今でも「まだ説明書きを見ながらでないとわかりにくい。」という方が多いのではないかと思います。
新しい洗濯表示では「タンブル乾燥」「酸素系漂白剤」など新しい洗濯記号が追加されたり、適用温度が細かく設定されることによって洗濯記号の種類が21種類から41種類に増えました。これにより消費者庁ではきめ細かい情報提供により洗濯などによるトラブルの減少を期待しているようですが、まずはこの新絵表示が消費者のみなさんに浸透するのに時間がかかっているのが現状ではないかと思います。
国際規格の表示方法
日本のアパレルメーカーが積極的に海外進出を進めているように、海外のアパレルメーカーも日本への出店が増えています。またネット通販の利用も増え、海外商品を購入する機会が増えてきたこともあり、洗濯絵表示を国際規格に合わせたというのが今回の大きな目的です。
意識しておきたいもう一つの大きな変更
実は私たちアパレルメーカーが洗濯絵表示をつける際に注意しておかなければいけないもう一つの大きな変更が『ニュアンス』です。
消費者庁のホームページにもそのことはあまり触れられていませんが、今までは洗濯によってトラブルが発生しないように“安全策”を取った表示方法が一般的でした。例えば、洗濯機洗いが出来るけれど、デリケートな素材の場合はトラブルを回避するために「手洗い」の表示を付けておこうという事です。しかし、今回の改定によって“安全策”からここまでは大丈夫という“限界ラインの表示”に変わったのです。
洗濯トラブルを回避するために行われていた“安全策”は本当に消費者の為になるのか?という議論から、「これなら安心。」から「ここまでは大丈夫。」に変わりました。絵表示すら浸透していない中でこのように移行していくのは難しいことですが、商品に合わせた本来の取り扱い方法を記載するというのが目的です。
まとめ
今回は先日かかってきた電話をきっかけに平成28年12月に施行された新洗濯絵表示について考えてみました。
洗濯や着用においてわかりやすい表示方法は大切ですが、それ以前に取り扱いがしやすいイージーケア素材が喜ばれます。
次回はもう少し表示方法について紹介したいと思います。
海内 孝治
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