『モノよりコト』という考え方をしてみよう!|染工場のオーダーから考える編。
みなさんこんにちはアパレルアイの海内孝治です。
今日は前回に引き続いて『モノよりコト』について、今起きている国内の染工場が混み合っている問題と合わせて考えてみたいと思います。
目次
- いま日本の染工場で起きていること。
- なぜ急にオーダーが増えたのか?
- 共通点は機能性!
- まとめ
いま日本の染工場で起きていること。
近年、中国の環境規制によって汚染水対策が遅れている染工場は操業停止や生産調整を強制され、納期面にも大きな影響が出ています。それに伴い中国のオーダーが日本に流れ、日本国内の染工場も今パンク状態になっています。私たちがレディースパンツをつくる上で良く使用する「ハイテンション素材」は北陸の染工場で染加工を行っています。通常の染加工のリードタイムは約一か月程度ですが、現在は通常の2~3倍以上のリードタイムとなっています。しかし、日本の染工場にオーダーが集中しているのはこの環境規制問題だけが影響ではないようです。ここにも『モノよりコト』の影響があるようです。
なぜ急にオーダーが増えたのか?
これは中国に入っていたオーダーが国内に流れて来ている事が大きな原因です。ではどんな商品のオーダーが増えているのでしょうか?。
北陸産地で増えているオーダーは「スポーツ」と「メンズ」です。確かに「スポーツ」はアスレジャーやスポーツカジュアルが牽引して好調のようです。メンズもロードサイドのスーツ屋さんでレディーススーツを取り扱われるようになって好調と聞きました。地方のお店でも2月、3月の土日はフレッシャーズやリクルートのお客さんでごった返しているそうです。
共通点は機能性!
「スポーツ」と「メンズ」が好調と聞くけれど、何故そんなに急成長しているのでしょうか?何が要因で好調なんでしょうか?また「スポーツ」「メンズ」という大きなカテゴリーの中で何が好調なのか?それを考えてみるとヒントが見つけられるのではないか?と考えました。
メンズのオーダーについて生地屋さんに聞いてみたところ合繊のスーツが増えているそうです。全体的な数字が急激に増えているわけでなく今までウールでつくっていた商品が合繊に変わっているのだそうです。
一方でスポーツ素材について聞いてみたところ、単純に日本の素材が注目されているという事です。
共通していることは機能性に優れた合繊素材に変わっているという事です。
ストレッチ性、シワになりにくい、型崩れしにくい、吸汗性が良い、夏は涼しい、冬は暖かいといった機能素材が多くあります。これらの機能素材をビジネスでもスポーツでも使っているという事です。
まとめ
ビジネスでもスポーツでも、それぞれのお困りごととシーンを考えた結果、より動きやすく快適な機能素材に変化しているのだという事が見えてきました。「もっとこうだったらいいのに。」という声を聞き、それを解決し、より良いものにしていく事。それぞれのシーンを考えて、そのシーンで使いやすい商品を考えること。北陸の染工場が混んでるのはそういったことから開発された商品がヒットしている事が原因のひとつなのではないか?と思います。
海内 孝治
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