中国の生産背景編|レディースパンツができるまで
こんにちは。海内孝治です。
今年も残すところあと数日となりました。
毎年この時期に思うのですが本当に一年あっという間ですよね!?
そして年末になっても年末らしくないなぁとも思います。
季節感のある仕事をしているのだから、もっと季節を感じないといけませんね。
クリスマスも終わったので、大晦日に向けて年末を味わいたいと思います。
このところ中国以外の国での生産も増えていますが、まだまだ中国生産が多いアパレル業界です。
そこで今回は中国の生産背景について書きたいと思います。
目次
- 産地について
- 中国の現在の生産背景
- 工場との取り組み
- まとめ
産地について
中国の繊維産業といっても色々な産地があります。
ここでは代表的な産地について少し説明させて頂きます。
まず私たちが生産しているカジュアルパンツですが、デニム、カジュアル素材は常州地区が産地です。
キレイ目素材はそこから車で3時間半くらい南に移動した紹興地区で作られています。
その素材を北に車で10時間以上かけて移動して山東省で縫製しています。
山東省はカジュアルパンツが多いと言われていますが、肌着も多いようです。
パンツ以外ではアウターやスーツなどは大連地区が産地です。
スーツは北朝鮮の国境のあたりが多いと聞いたことがあります。
天津ではシャツやブラウスが多く、無錫ではニットが多いなど産地によってそれぞれ強いアイテムが違います。
しかし昔から比べると産地も境目がなくなっており、色々な地域で色々な商品が生産されているのが現状です。
中国の現在の生産背景
いま中国は大きく変わっています。
世界の工場として大きく成長した今、新たな問題として環境問題や雇用問題と直面しています。
特に染工場では工場から出る排水が大きな問題となっています。
汚水に対応した工場でなければ操業出来ないのです。
ほんの数年前までは、中国で青空を見れることなどほとんどありませんでしたが、ここ最近では時々ですが青空を見れる日があります。
排気ガスや工場から出る煙、汚水などかなりのスピードで対策をされているのだと思います。
それだけ稼働できていない工場が増えているという事です。
もう一つの問題は人手不足という事です。
中国では工場で働くよりも、オフィスで働きたい、ショップで働きたいなど他の仕事に就きたいと考える人が増えています。
またどんどん成長していく中で、選べる仕事自体がどんどん増えています。
そうした中で工場で働きたいと考える人が減っています。
人も工場も減っている中で、労働時間の問題もあります。
以前はお金を稼ぐために出来るだけ長い時間残業して休日も関係なしに工場は動いていましたが、今は中国でも、勤務時間の制限などが厳しくなっており稼働時間も少なくなっています。
工場、人、時間ともに少なくなってキャパがどんどん少なくなっているのが今の中国の生産背景です。
工場との取り組み
このようにキャパがどんどん少なくなっている状況の中で、それでも私たちは品質の良い商品を私たちの求める価格で、私たちの欲しい納期に合わせて商品を生産してもらわなければいけません。
工場としてはキャパが少なくなっているわけですから、メリットがある仕事や相手を選ぶと思います。
日本のオーダーは欧米のオーダーと比べて数量は少ない、品質は厳しい、値段も納期も厳しいとしんどい事ばかりです。
そんな中でもメリットを感じてもらい取り組みをしていかなければなりません。
ではそのメリットとは何か?
それは共に成長できるという事ではないかと私は考えています。
アパレルアイのアイデアや品質についての要望、新しい商品開発に向けた挑戦によってお互いに成長することができれば、それをメリットと感じてもらえるのではないかと考えています。
またそれを感じて下さっている工場さんがこちらを向いて真剣に取り組んで下さっているのだと思っております。
まとめ
中国ではこれからもどんどん物づくりが難しくなってくると思います。
だから今、カンボジアやベトナムといったASEANの国々での生産が拡大しています。
しかしこれらの国々も早かれ遅かれ、いずれ中国と同じように物づくりが難しくなります。
どこで生産しようと工場さんとの良好な取り組みが出来なければ良い商品はつくれません。
厳しい状況の中、他社に負けない商品、お客様に喜んでいただける商品を開発していけるように来年も頑張ってまいります。
来年もどうぞよろしくお願いします。
海内 孝治
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