麻素材が夏に使用される理由
こんにちは。亜麻色の短い髪の福永泰士です。
段々と春らしくなり、店頭には夏もの商品も並びはじめていますね。
夏ものとしてよく使用される素材の「麻」。麻といっても一つではなく、種類がいくつかありますので、今回は麻の種類について解説します。
目次
- はじめに
- リネン
- ラミー
- ヘンプ
はじめに
衣料品に主に使われている麻の繊維と言えば、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)の三つです。
麻は植物の茎のじん皮部から採取される植物繊維で、主成分はセルロースです。麻は吸湿性が高く、肌に触れたときに涼しく感じるので、春夏物衣料に多く使用されています。天然繊維の中では、最も涼しく感じる繊維です。よって麻素材は夏に使用されるのです。
独特の魅力があり、一方クセがあるともいえるのが麻素材です。着用や洗濯で風合いが変化したり、ネップがあるのも特徴です。
ネップとは、繊維が絡み合って出来た糸の節が生地表面に出たものです。素材の特性上、均一に整った糸を紡ぐ事が非常に困難のため、生地の表面にスジや玉状のネップが出来てしまいます。これも麻の自然な味として、楽しんでいただきたいと思います。
リネン
リネンは肌にやさしく、サラッとして、爽やかな涼感があるのが大きな特性です。吸水・発散性に優れているため、水分や汗をすばやく吸い取って発散させるので、体は爽やかで、涼しく感じます。さらに防カビ性に優れ、雑菌の繁殖を抑制するため、臭いも抑えます。
麻の中では繊維は細くしなやかで、少し黄味がかった色をしています。
またリネンは、天然素材の中で、最も汚れが落ちやすく、洗濯にも強い素材です。繰り返し洗うごとに柔らかさはいっそう増し、白いものはさらに白くなります。 世界の一流ホテルは、ベッド回りやテーブル回り、バス回り等にリネンを使用する場合が多いようです。
ラミー
麻の中では繊維が太く長く、コシがあり、シャリ感があります。色は白く、絹のような光沢感があります。
ラミーは、天然植物繊維の中で最高レベルの強度で、水に濡れるとさらに強さが増大します。
高温高圧の洗濯にも耐えるため、業務用ユニフォームやホテルグッズ、JR新幹線座席カバーにも使われているほどです。
機能性としてはリネンと大きな違いはなく、吸湿、速乾性に優れています。
ひんやりとする触感で、清涼感を感じる繊維です。
ヘンプ
ヘンプの繊維は細く短く、しかも表面が平滑で、撚りをかけづらい繊維です。衣料品に使われると説明しましたが、リネンやラミーに比べると紡績性に劣るため、現在は衣料品として使用される割合は決して多くありません。
機能性に関してはリネンやラミーのように、吸湿性や耐久性に優れています。
ヘンプだけでは衣料品にはあまり向かないですが、綿などと組み合わせることで衣料品して、麻の特長を活かすことは可能です。
ヘンプは農薬や化学肥料をほとんど必要としない強い植物なので、麻繊維の中でも最も環境に優しい素材といえます。
強度がしっかりしているので、縄などによく使用されたりします。
福永 泰士
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