アパレルとTPP

アパレルアイの福永浩士です。
先日、日本を含む11カ国による新たな環太平洋経済連携協定(TPP11)の関連法が参院本会議で可決、成立しました。
参加11カ国のうち6カ国が批准後、60日で発効するため、早ければ年内にも世界の貿易額の15%を占める自由貿易圏が誕生します。そのTPPがアパレルとどう関わってくるのでしょうか?今回はそのあたりを解説いたします。

目次

  • TPPとは
  • ヤーンフォワードルールがある!
  • 日本はどうなる?
  • まとめ

TPPとは

Trans-Pacific Partnership Agreementの略で、環太平洋パートナーシップ協定と訳されています。現在の参加国は11カ国。日本、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイです。韓国、中国、タイ、インドネシア、台湾、フィリピン、コロンビアは参加を見送っています。参加11カ国だけでも国内総生産の合計は10兆ドルを超え、世界経済の約13%を占めると言われております。
TPPに加盟すると域内の関税が段階的に引き下げ、もしくは撤廃になります。

ヤーンフォワードルールがある!

TPPで特恵関税が適用されるためには、原糸の段階から域内で生産されていることが条件となります。そのため、加盟していない中国等から原糸を輸入して生地や製品をを生産してもTPPの特恵関税の対象からは外れることになります。(ヤーンフォワードルール)
昨日の桑田のブログにもありましたが、ベトナムがすごい勢いで伸びてます。ベトナムは現在海外資本による製糸工場の建設が進んでいます。現在ベトナムの繊維縫製企業は原材料の5割を輸入に頼っており、そのほとんどを中国に頼っています。製糸工場建設により原材料の輸入比率が下がればTPPによりベトナムはますます勢いがつくでしょう。

日本はどうなる?

日本の繊維製品の97%は輸入物ですので、特恵関税が適用された製品が増えると海外物のシェアがさらに増えることが予想されます。
バブルがはじけた後の日本は時がたつにつれ、より小ロット生産の傾向が高まっています。海外の工場も人件費が上がり、生産能力もキャパ一杯の状態まできており、生産が追い付かない状況ですので、「欲しいときに欲しいだけ」「小ロットで」「適正価格で」を求める日本向けはあまり人気が無く、ベトナムをはじめ海外の工場の目線は大量発注をもらえる欧米に向いています。
日本の商社はベトナムをはじめ東南アジアの工場のラインの確保に努めていますが、日本はTPPの恩恵にあずかれないかもしれません。

まとめ

普段意識していない「政治」「法律」が変わることにより、自身の経済環境が良くも悪くも激変するときがあります。
今回のTPPは現時点では大きく影響はしないかと考えておりますが、常に情報を集め、考えておくことが必要ですね。