レディースパンツ素材の機能(暖か機能編)
こんにちは。数年に一度の寒波で、とても寒い日が続いています。
お店には春ものが並びつつありますが、しばらく冬服が手放せそうにありませんね。
着る服もつくる服も心も暖かい、暖かマスター福永泰士です。
レディースパンツで冬によく使われる暖か素材、店頭には様々な機能がうたってある商品がありますが、今回はその機能についてご紹介します。
目次
- 保温性
- 光吸収発熱性
- 吸湿発熱性
- まとめ
保温性
人は発熱体、つまり熱を発している生き物です。
普段何も意識していないですが、自らの熱を衣服を介して、外界へ伝熱するということが常に起こっています。
衣服の断熱性を高め、熱を逃がしにくくすることにより、寒い冬でもしのぎやすくなります。これが保温性ということです。
衣服は構造的に、その内部に多くの空気を含むことが可能です。
この「空気」が大事で、空気は物質の中で最も熱を逃しにくい物質なのです。
保温性の高い衣服をつくるには、「空気」をどう多く含ませる素材にするかが大事なポイントになります。
光吸収発熱性
そのままではありますが、光を吸収して、それを熱に変換するということです。
紫外線などの波長の短い光を効率よく吸収し、熱エネルギーに変換する物質があります。カーボンブラックや酸化チタン化合物がその代表的な物質です。
このような物質を繊維の中に練りこむことで、光吸収発熱性のある生地をつくることができます。
生地が光にあたると、繊維の中に練りこまれているカーボンブラックなどの物質がそれを熱にしてくれて、「暖かい」機能になるという仕組みです。
吸湿発熱性
物質が空気中の水分を吸着する際に発生する熱を利用し、暖かさを持たせる機能です。
説明するのはなかなか難しいのですが、空気に含まれる水分子の運動エネルギーを利用して、熱に変換する方法です。
空気中の水分子が物質に吸着すると、その運動エネルギーを失って、その分だけ熱エネルギーとして利用できるようになります。
吸湿発熱性のある生地は、衣服内の湿度を下げて、温度を上げる快適な素材です。
基本的には、天然繊維には特殊な加工をしなくても、繊維自体にそういう性質があります。(程度は場合によります)
まとめ
こういった機能性のある商品には、よくその機能性をうたったラベルが付いています。
科学のような話になってしまいましたが、「暖かさ」をつくりだすにも上述したような色々な種類、方法があります。
ラベルなどに書かれている機能はどういったものか理解していただくと、よりその機能性を実感できるかもしれません。
生地の厚さや起毛ということも暖かさを保つには非常に大事な要素ですが、それだけではないということも知っていただけると嬉しいです。
福永 泰士
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