そうだったのか!染色加工の知識|染色文化の歴史編
こんにちはアパレルアイの海内です。
4月。今月は展示会、夏物出荷の最盛期、秋冬物のオーダーと色々忙しい時期ですが、世間では新学期、新年度スタートという事で私自身も気持ちを新たに頑張っていきたいと思います。
今回から何度かに分けて生地の染色についてご紹介したいと思います。
まず初回は『染色の歴史』についてです。
目次
- 染色文化の歴史
- 色の種類
- その後の染色産業
- まとめ
染色文化の歴史
衣類は寒さや暑さから身体を保護するためだけでなく、より美しく装飾するため、また社会的地位の表象等の目的とともに発展してきました。染色の歴史は糸を紡ぐ技術と同じくらい古く、ヨーロッパ、インド、中国などの国々では紀元前数千年前から盛んに行われておりました。その頃の染色は主に植物や貝殻、昆虫などの天然物を原料として染色が行われ、生地の上に原料となる植物の葉や花を置き、鳥の卵の卵白や動物の血液で色を定着させる手法が用いられておりました。様々な染色技術が試行錯誤された後、生地の表面だけを染める手法から、木の実や果物などと一緒に糸を煮ることで、糸そのものに色を染める手法が開発されました。
色の種類
例えば大青(タイセイ)という中国原産のアブラナ科の植物。これは葉にインジゴ(インディゴ)を含んでおり、青色の染料として使用されました。インジゴは大青以外にもインド藍やマメ科のコマツナギなどからも採られていました。
アヤメ科の植物のサフランは10世紀にスペインに伝えられ黄色やオレンジなどの染料として使用されており、赤色は動物の血液やエンジ虫から採られておりました。ローマ帝国時代には、地中海の貝から採った紫色のティリアン・パープルで染めた衣服を最も高貴な色として、皇帝や貴族が着用し身分の高さを象徴していました。
その後の染色産業
染色が本格的な産業として確立されたのは11~12世紀頃のイギリスでした。
13世紀に地衣類から作られた紫染料のアキルが発見されて以後、染色技術の進歩は始まりました。より色落ちしないようにする技術や効率的に染色できる技術が試行錯誤しながら開発されました。その後1856年にはイギリスの化学者パーキン氏によってコールタールから紫の染料「モーブ」を合成し、化学染料の基礎を作り、それ以降有機化学が進歩し合成化学工業へと発展していていきました。
まとめ
私たちもレディースパンツをつくる際に色付けは重要なポイントとしております。特に今は色の時代とも言われ、きれいな色やそのシーズンを象徴するような色から売れていく場合もあります。逆にベーシックなカラーだけでは売れない場合も多くあります。今回、紹介したことが染色の歴史の全てではありませんが、今後も染色について紹介していきたいと思います。
海内 孝治
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