汗・水を素早く吸い、早く乾く!|吸水速乾性について
こんにちは。アパレルアイの海内です。2月下旬になり、少しずつ夏物のデリバリーが始まってきました。そこで今回は夏に喜ばれる機能として代表的な吸水速乾性について解説したいと思います。
目次
- 吸水速乾性とは
- 試験方法
- こんな注意が必要
- まとめ
吸水速乾性とは
運動などによって身体から出た汗や湿気を素早く吸い取って(吸水)、素早く蒸発させる(速乾)性能の事をいいます。汗で衣服が湿ったままの状態はベタベタして不快な着心地です。暑い夏の時期はもちろんですが、冬の時期でも身体からは湿気や汗が出ています。吸水速乾性は肌側の面は湿気や汗を吸収する機能を外側は拡散する機能を併せて持たせることが必要となります。素早く吸って素早く乾燥させることで快適な着心地が維持できるのです。
試験方法
検査方法はいくつかありますが、大きくは微量の水分を生地に滴下し、水滴が生地に吸収される(吸水する)時間を計測する、吸水性を計測する試験と滴下した水分が拡散して乾燥していく速乾性を計測する検査になります。合格ラインは各企業や用途、また素材によって多少の違いがありますが、一般的には吸水性は滴下した水滴が10秒以内で吸水されると合格としているケースが多いです。吸水性が優れた素材は水が落ちた瞬間(1秒以内)に吸水します。こういった素材を使用した商品は『1秒吸水』と謳って販売されています。一方速乾性を計測する検査では、吸水した生地がどのくらいで拡散していくか?を計測します。こちらも多少の違いがありますが、段階的に残留している水分量を計測し60分後に30%以下になっていると合格となるケースが一般的です。
こんな注意が必要
製品洗いをする商品や白などの薄い色の生地は汚れ防止の為に撥水剤のような成分を加工時に混ぜることが多いのです。この素材は吸水速乾性が優れているだろうと思って検査した結果、生地が水をはじいて全く吸水しないという経験を何度もしています。染めの工程や製品洗いの工程で撥水剤が入っていないか?注意をして下さい。(※吸水速乾性の性能が高い素材は着用して洗濯を繰り返すと撥水の効果が薄れて次第に吸水速乾性が良くなります。)
まとめ
暑い夏の時期に快適な機能の代名詞として接触冷感性、吸水速乾性があります。これらの2つの機能はそれぞれが両立する事でより快適な着心地が実感できます。ある企業では接触冷感性を謳うためには吸水速乾性の合格が必須条件といった基準を設けているところもあるくらいです。当社にも『折り紙パンツ』や『麻涼みパンツ』をはじめ快適な素材を使用したパンツが多数あります。是非当社のパンツで快適な着心地を実感してみて下さい。
海内 孝治
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