デニム素材の染め方|ロープ染色と枷(かせ)染めの違いを解説。
デニム生地の糸の主な染め方には「ロープ染色」と「枷染め」の2通りがあります。染め方によってできあがる糸にも違いがあり異なった風合いを楽しめます。
糸染めの方法には2通り
デニム生地を織り成す糸の主な染め方「ロープ染色」と「枷染め」。主な違いは機械で染色するか、と糸の染まり方です。あのデニム特有のキレイなインディゴに糸を染め上げるために、何度も繰り返して染料につけて酸化させて色を出していくという点では全く同じなのですが、その染色の仕方によって染め上がった糸に違いが生まれ、最終的にパンツとなったときにも違いがでてきます。
機械で染める「ロープ染色」
一般的なジーンズに使われているデニム生地に糸は「ロープ染色」であることがほとんどです。何本もの綿糸を平行に束ねてロープ状にしたものをロープ染色機のローラーで巻き取っていく過程で、インディゴ染料液が入った液層に綿糸を通し、引き上げて空気に触れさせることで酸化させブルーに発色させていきます。インディゴ染料液が入った液層から引き上げたばかりの綿糸は黄緑色。それを酸化させてブルーを発色させては、次の液層に浸す。という工程を6~12回ほど繰り返すことで、染めムラがなくなり、濃いブルーに染まっていきます。また、インディゴは色が入りにくいのが特徴。綿糸は浸透圧で周りから徐々に染まっているので、芯に近づくほどブルーが薄くなり、芯には染まりきらなかった白色が残ります。これが「中白」という現象です。ジーンズにアタリやヒゲができるのは、穿き込むことによって綿糸の表面が削れて、芯の白色が出てくるからです。
全て手作業の「枷染め」
伝統的な染色方法「枷染め(かせぞめ)」は、機械を使わずに全て手作業で行う染色方法になります。インディゴ染料の入った枷壷(かせつぼ)と呼ばれる壷の中に、束ねて輪っか状にした綿糸を浸しては取り出して絞り、空気にさらして酸化させるということを、何度も何度も繰り返して染めていきます。非常に手間と時間をかけて、職人が丁寧に浸しながら少しずつ染め上げていくことで、糸の芯までしっかりと染まるところがロープ染色との大きな違いです。中心までしっかり染まっているので基本的には色落ちしにくく、着こめば着こむほど出てくる深みのある独特な風合いの色落ちを楽しめます。
中山 悟
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