吸水性と吸湿性の違い
アパレルアイの福永浩士です。
先日福山から名古屋へ行きました。朝、福山を出るときは小雨でしたが、名古屋に着くと晴れていてとても暑く感じました。数度の違いだと思いますが、数値以上の違いを実感しました。
さて、今回は吸湿性と吸水性の違いについて解説いたします。
目次
- 吸湿性とは
- 吸水性とは
- 仕組み
- 吸収された水分は?
- まとめ
吸湿性とは
空気中の水分(湿気)を吸い取る性質を吸湿性と言います。吸湿性は、主に繊維の化学的な組成で決まります。
吸水性とは
液体状の水分を吸い取る性質を吸水性と言います。アパレルの世界では、対象となる水分が汗の場合が多いので吸汗(きゅうかん)と表現することもあります。
仕組み
仕組みとしては「毛細管現象」を利用しています。水分を吸って、繊維を伝い拡散していきます。
毛細管現象を生み出す方法として
・太さの異なる糸を組み合わせる
・多孔質な生地(糸)を使う
・糸をできるだけ細くする
・断面を凸凹にする
・繊維の側面に溝をつける
などの方法で毛細管現象による吸水性の向上を図っています。なんとなくイメージが湧きますか?
吸収された水分は?
水分が吸収されたままだと通気性が悪くなり、衣類の内側が蒸れてきます。できるだけ速く乾燥した状態にしていくことが、快適性向上へつながります。毛細管現象ですので、吸ったものが染み込んで拡散され、外部へ放湿するようになります。
さらに速乾機能を持たすため、
・一定量吸い込んだら、それ以上汗は吸わずに、弾いて下に落とす。
・水分を吸うと糸が伸びて、網目が広がり通気性が良くなる。乾くと元に戻る。
という機能糸(生地)もあります。そういった工夫で衣服内の温度・湿度を高めないようにしています。
まとめ
夏場はより涼しく、冬場はより温かく。「数度の違い」を作ろうと各繊維企業はこぞって開発に取り組んでいます。アパレル商品についているラベルに「吸汗速乾」など機能性が表示されていることがあります。こういった機能性の表示をするためには一定水準の数値をクリアすることが必要です。(勝手に表示してはいけません。)なので、こうした表示があれば機能性としては証明されているということになりますので参考にしてください。
全国的に梅雨に入り、ジメジメしているので少しでも快適に過ごせるヒントになればと思います。
福永 浩士
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