日本のアパレルの市場規模と傾向
アパレルアイの福永浩士です。
出張などで「最近売上どうですか?」とお取引先とお話させていただくと、「今月はいいよ。」「前年と比べるとトントンだね」などいろいろ教えていただけます。当然自社の数字がどういう状況か把握することは大切です。
今回はどういう傾向なのか比べていただくべく、日本全体での傾向をご紹介いたします。
目次
- 新車市場と同じ
- 衣料品への支出
- 国内供給点数
- まとめ
新車市場と同じ
日本の衣料消費市場の規模は約9兆7500億円で、これは日本の新車販売市場と同水準です。
衣料品市場規模は2010-2017年にかけて毎年増えています。2010-2013はユニクロ、しまむらや海外のファストファッション等による低価格商品が市場を席捲したことと、為替が円高傾向で、輸入コストが安くなったこともあり、商品を値下げして需要を喚起したことが要因です。
低価格商品が浸透した2014からは、価格と品質のバランスが取れた商品が消費者の支持を得る傾向が強くなりました。
一方で円安が進行したことにより、衣料品そのものの平均単価が上がることにもなりました。
衣料品への支出
年間購入点数は2008年を基準に「10」とすると、2017年は「8」に下がっています。
2014年からの円安で衣料品の平均単価が上がったことと、景気回復の実感がないことから衣料品への支出が減っています。金額面においても2018年に1世帯における衣類(履物含む)への月平均支出金額が12,523円だったのが2017年は10,806円と13.7%減となっています。2008年はリーマンショックがあった年ですので、そのときから13.7%減っているということです。
国内供給点数
2017年は約38億点で、ここ4年40億点切っています。「40億点」にどれくらいの意味があるかは分かりませんが、あくまでも供給量であって、消費量ではありません。また市場に供給されても最終的にバーゲンやセールだとかの対象になり、それでも売れ残る商品がある現実をみると、供給過剰であることは否めないものと思います。
まとめ
今年も平均的に円安傾向で、衣類の平均単価は高止まりするものと思われます。
現時点もここ10年においては円安の部類に入りますので、為替予約など企業の為替戦略もあるとは思いますが、2019SSの原価はほぼ確定している状況にあり、平均単価は高い水準を維持するものと思われます。
消費税の引き上げが来年に控える中、家計防衛のためファッション関係への支出が抑制傾向さらに強まるもの見られます。
単なる値引きではなく、価値ある商品を提供するとともに、打ち出し方や魅せ方も工夫し、需要喚起へつなげて参りたいと思います。
福永 浩士
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