ファッションにおける化学繊維|再生繊維
アパレルアイの福永浩士です。
以前、化学繊維の中で「三大合成繊維」のご紹介をしました。今回は同じく「化学繊維」のカテゴリーに含まれる「再生繊維」についてご紹介いたします。
目次
- 再生繊維って何?
- レーヨン
- キュプラ
- ポリエステル繊維
- まとめ
再生繊維って何?
言葉だけ見るとなんかリサイクルしたもの?と思ってしまうかも知れませんね。再生繊維は原料となるセルロース(炭水化物)を化学薬品で溶解し、繊維状にしたものです。
原料の種類によって「植物系」と「化学系」に分けられます。
人の手によって「再生」するので人工物、つまり化学繊維に区分されます。
レーヨン
原料は木材パルプです。植物系の再生繊維です。絹に似せて作った再生繊維ですので別名「人造絹糸」とも呼ばれます。
開発されたのは1855年頃です。工業化された化学繊維としてはナイロンが先でしたが、開発自体はレーヨンが先だったそうです。
レーヨンが繊維産業の中心を担っていたこともあり、今でも社名に名残がある会社も。東レ(旧 東洋レーヨン)・クラレ(旧 倉敷レイヨン)・三菱レイヨン、そして帝人。帝国人造絹糸の略だそうです。
長所:肌触りがなめらかで光沢がある、吸湿・放湿性が良い、良く染まる。
短所:擦れると白くなりやすい。吸水性が高く、水滴が落ちるとそこだけブヨブヨになります。乾くと元に戻りますが、繊維としての強度は下がります。雨の日の着用は控えた方が良いかもしれません。
キュプラ
原料は綿です。キュプラも植物系の再生繊維です。正式には銅アンモニアレーヨンといいます。
製造工程で銅アンモニア溶液を使用するのですが、銅やアンモニアの処理に難点があり、各国各社が製造から撤退し、現在製造しているのは日本の旭化成だけです。登録商標は「ベンベルグ」です。スーツの裏地や婦人衣料に使用されます。
長所:柔らかくしなやかでドレープ性がある、吸湿放湿性が高い。
短所:摩耗に弱く毛羽立ちやすい。水洗い(家庭での洗濯)に向かない。
ポリエステル繊維
ポリエステルそのものは石油を原料とした合成繊維ですが、一度製品化されたポリエステルを原料として再生したポリエステル繊維などは再生繊維ですね。原料が化学物質ですので、化学系の再生繊維となります。
ペットボトルの再生などが代表的です。ペットボトルが10本あれば上下1着分の作業着のポリエステル繊維が取れるそうです。
まとめ
再生繊維に分けられるものとしては他にもたくさんありますが、今回は代表的な素材を採り上げました。絹が高価だったころ、「絹と同じようなものが安価で作れないか」ということからレーヨンやキュプラの開発につながったようです。
普段の生活の中で、絹に似た手触り・光沢があったらぜひ思い出してみてください。
福永 浩士
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