色と光の関係について
こんにちはアパレルアイの海内孝治です。
前回は染色の歴史について紹介させていただきましたが、今回は染色の中で重要な色について考えてみたいと思います。
目次
- 色の役割
- 赤い色はどうして赤く見えるのでしょうか?
- 光の三原色
- まとめ
色の役割
染色と色の役割は、本来、身体を外から守ることを目的として考えられていました。
今でも夏の日差しが強い日には黒や濃色の衣類よりは淡い太陽光を吸収しにくい色の衣類を選びがちです。
しかし現代では本来の目的である「実質的役割」よりも、“より美しく見える”、“より好ましく見える”といった色を楽しむ為、また社会的な規律の為等、自分の価値を高める機能が重要になっています。私たちがつくるレディースパンツでも色の役割は非常に大きく、商品の売れ行きに大きく影響します。
特にパンツはシンプルなデザインが多いので、その分色の役割が大きくなり、そのシーズンを象徴する色で新しさや楽しさを表現しています。
衣料品における購入動機の中で視覚によるものが80%をしめるという調査結果もあるように、「売れる商品」にするためには色はとても重要な要素です。
ではその『色』はどうやって出来ているのでしょうか?
赤い色はどうして赤く見えるのでしょうか?
そもそも『色』はどのようにして見えるのでしょうか?
太陽や光はそれ自体が光を放っています。太陽光や電球の光を見て「白っぽい、透明」だと感じると思いますが、実は光の色は虹のような無数の色から出来ています。では光を持たない“物”の色はどうやって作るのでしょうか?実は私たちが見ている色は“物”が光を反射した色を見ているのです。
逆に光の当たらない暗い場所で物を見ると色や形はぼんやりとしか見えません。これは“物”が光を反射していないからなのです。例えば私たちが見ている赤いリンゴの色は、太陽や電球の光を受けると、その光のうち赤い色のみを反射してそれ以外の色は吸収してしまうのです。こうした反射光が私たちの目に届いて「色」として見えるのです。
光の三原色
無数にある色のうち、特に赤、青、緑の3色を基本の色として「光の三原色」と呼ばれています。これはこのわずか3色の色の組み合わせで、この世の中に存在する無数の色を作り出すことが出来るのです。例えば、パソコンや、スマホ、テレビなどで使われる液晶のディスプレーもこの3色の組み合わせによって表現されています。3色の組み合わせで色々な色が生まれることは想像できますが、この3色の組み合わせによって光の透明のような白い光になるのは想像しにくいですね。しかし光の色もこの3色の組み合わせによって出来ているのです。
まとめ
私たちがレディースパンツを企画するうえで最も大切にしている事の一つに色があります。色は太陽光、電球の光など光の当たり方によって同じ色でも違って見えてしまいます。私たちは色を決める時に太陽光の下、室内の蛍光灯の光の下など様々な場所で色を見て色決定を行います。
例えば、中国の工場で色を見て確認したけれど日本に帰国して同じ色を見たときに色が違う感覚になることが良くあります。
恐らく中国と日本での光の当たり方の差で生じている“誤差”の為です。これらの誤差は微妙なことですが、色選びの時、生地が上がった時、それぞれの時に『売れる色』になっているか?という事を意識してこれからも『売れる色』を発信していきたいと思います。
海内 孝治
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