アパレル業界の川上川中川下
アパレルアイの福永浩士です。
私はアパレル業界に入って、初めて「川上・川中・川下」という表現に出会いました。
「川上・川中・川下」という表現は、原料が製品となり販売されるまでの過程を川の流れに例えたものです。
アパレル業界も、原料から製品になりお客様のお手元に届くまで、たくさんの業界が関わっています。
その線引きはどこでしょうか。具体的な企業名も例示しながら、分かりやすくご説明いたします。
目次
- アパレルの川上
- アパレルの川中
- アパレルの川下
- その他
- まとめ
アパレルの川上
原料や素材を国内外から生産・調達する業者ですね。アパレル(繊維)商社をイメージしてください。
調達したものをメーカーや小売に卸す、またその過程をスムーズに流すための仲介の役割を担います。代表的な企業として、帝人・東レ・旭化成・クラレなどが挙がります。
一般的には原材料である糸や綿などを生産する化繊メーカーや紡績会社などを指しますが、それに直結する撚糸業者(ツイスター)、製織業者(機屋)、製編業者(ニッター)、染色業者(ダイヤー)なども含めて川上と位置づけられています。
アパレルの川中
アパレル(繊維)メーカー、いわゆる「ものづくり」をするアパレル企業ですね。ワールド・オンワード・ワコールなどをイメージしてください。
メーカーは衣服(テキスタイル)の「企画」「製造」「卸売」を行うところです。 商社を介して卸してもらった原料を使い、製品を作っていきます。しかし、国内の企業は自社工場を持ち合わせているところが少なく、多くが海外含め外部の工場に製造を委託します。
当社も「川中」にあたります。
アパレルの川下
最終製品を仕入れて消費者に販売する小売店、専門店、百貨店、スーパーマーケットなどの小売業界を言います。
仕入れた商品をお客様に直接お届けする最終地点ですね。 仕入れた商品の販売だけ行っているところもあれば、自社企画の製品を作る店もあります。 「川」のなかで一番重要な「リアルな情報」を収集できる場でもあります。
三越伊勢丹・京王百貨店・しまむら・イオン・イトーヨーカ堂などアパレルを取り扱う小売業はたくさんありますね。
その他
川上川中川下をざっと分けるとこのような感じですが、最近はその垣根もなくなってきています。
自社を中心とする業務の前後の業務まで自社で行っていくことで、コストダウンやサービス向上を図るなんてこともあります。最近アパレル業界を席巻している「SPA」はその最たるもので、ユニクロやZARAがその代表例です。
SPAは “Specialty store retailer of Private label Apparel”の略で、日本語では「製造小売業」と訳されていますね。
企画製造から、小売まで一貫して行います。
まとめ
インターネットをはじめとする通信手段の発達により、ノウハウや知識もネットから得られるほか、直接取引が行われるようになり、仲介機能を果たす役目の部分は勢いが弱くなりました。
特にアパレルは、自動車産業などと違い特許等も少なく参入障壁が低いためSPAのように1社で完結することも可能なのです。
それぞれの業界における「特殊性」「専門性」など”強み”をしっかり磨いていかなくてはいけませんね。
福永 浩士
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