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英バーバリーが売れ残り商品を焼却処分!

アパレルアイの福永浩士です。
少し前ですが、イギリスの名門ブランドの「バーバリー」が売れ残り商品(衣料品・香水等)を焼却処分したとニュースがありました。金額は40億(過去5年では130億)を超えるとも言われています。この行為にメーカーとして考えなければならないことがありましたので解説いたします。

目次

  • ブランド価値を守るという事
  • ブランド価値を守りにくい時代
  • 環境問題
  • まとめ

ブランド価値を守るという事

ブランド価値を高めるためには、いろいろな企業努力が必要です。
品質・技術・イメージをはじめ様々な分野において、長い年月をかけて磨かれ培われてきたものがブランドとなって成長していくわけです。当然そのブランド価値が高くなると購入価格にも反映していきます。
ところが安売りをすると、ブランド価値は一気に下がります。
バーバリーがなぜそこまでして守りたかったのか。具体的には2つあると思われます。
①「バーゲンをしない高級ブランドのイメージ」を守るため。
②「シーズン初めに購入してくれる顧客を多く持ち、利益を守る」ため。
40億円以上も焼却処分してバーバリーは、ブランド価値を守りたかったのです。

ブランド価値を守りにくい時代

流通方法がインターネットによって変わり、「あそこでしか手に入らないもの」がだんだん減っています。もしどこかで安売りをすれば、その安い商品が世界的規模で展開される時代なのです。
正規の値段で売れなくなる、顧客離れが起きる、そうすると企業として利益が取れなくなり株主も離れ、ということで負の連鎖になります。
特に見込生産(⇔受注生産)でやっていく以上は在庫リスクはつきものです。最終在庫の処分方法は常に考えておく必要があります。

環境問題

今回日本では金額の面が大きく話題になりましたが、環境意識の高い欧州では「焼却」という行為にも非難が集中しました。アパレルでは製造において化学繊維を使用したり、動物等の毛や皮を使用したりします。生産時の犠牲や、焼却時の環境汚染などを考えるとそれ以外に方法は無かったのかと考えさせられます。
近年「プラスチックごみ」「マイクロプラスチック」が注目を浴びており、自然回帰への声が高まっています。製造業は原材料から見直しを求められる時代に入っています。

まとめ

バーバリーのことなので、市場戦略などはしっかり練っているとは思うのですが、額が額だけに適正在庫ではなかった、過剰生産をしたということになるのでしょう。
ブランド価値を守ることは必要です。方法が適切だったかどうかは分かりませんが、処分することにも一定の理解はできます。
今回の処分は「トップブランド」による「金額」と「方法」で多くの耳目を集めました。当然マイナスイメージもつくことによる損失もあると思います。
以前もファストファッションの企業も焼却処分で話題になりましたが、今後はトップブランドの焼却処分がどんどん公になっていくのではないかと思います。
在庫のあり方というものにも常に向き合いながら、ブランド価値の維持・向上に努めてまいります。

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福永 浩士

主に名古屋地区の営業。 経営補佐として経営計画書作成準備や各種資料の作成、情報の収集と整備をしています。助成金の申請や就業規則の見直しなど社内労務管理にも携わっています。

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