セールを後ろ倒ししても収益は改善しない?
こんにちはアパレルアイの海内です。
今年の夏は台風や豪雨、そして猛暑と天候に恵まれず、『夏物セール』でも苦戦された小売店さんが多かったのではないでしょうか?
実際、私の担当するお客様でも実店舗を持たない通販さんと、実店舗を持つ小売屋さんとでは大きく成果が違ったように感じます。しかし、そんな中でも着実に成果を上げられている小売店さんも多くあるようです。
今回はその成果を上げられている小売店さんの『セール販売』の共通点について考えてみたいと思います。
目次
- 2018年夏セール
- 2005年ごろから始まったセールの前倒し
- 2012年ごとから始まったセールの後ろ倒し
- まとめ
2018年夏セール
多くのファッションビルや百貨店では6月の最終金曜日や7月1日の日曜日から夏のバーゲンを開始されています。
またセールを“第一弾”“第二弾”と割引率を変えて二段階でバーゲンをされているところも多くあります。
しかし一方では7月末からバーゲンスタートとセールの後ろ倒しをされている商業施設ももありました。
2005年ごろから始まったセールの前倒し
そもそもバーゲンでは、そのシーズンに残っている商品を売り切るために値下げをして販売していました。しかし、1997年以降の衣料品の消費不振によって、それまでの様には売れにくくなり、バーゲンでも売り切ることが出来なくなりました。
その為、その不良在庫をさばく為に、値引き率を高めバーゲン期間を長く設定しました。
2005年頃から開始時期は如実に早くなり、今では夏のバーゲンは6月下旬から、冬のバーゲンは元旦からというのが一般的になりました。
2012年ごろから始まったセールの後ろ倒し
夏のバーゲンが始まる6月下旬はまだ梅雨真っ最中で、蒸し暑い日が多いもののまだ肌寒い日もあります。冬のセールが始まるお正月はこれから寒さが増すタイミングです。
まさに「さぁ!これから!」というタイミングで季節商品を値引き販売するのはどうなのか?定価で販売する時期を自らが短縮して業界全体で自分で自分の首を絞める状態になりました。結果的にかつての大手アパレル各社は経営を悪化させました。
こうした状況に歯止めをかけるべく、2012年ごろから三越伊勢丹HDやルミネを中心とする商業施設では“セールの後ろ倒し”を行い“セール時期の正常化”を図りましたが、結果的には同調する企業も少なく足並みが揃いませんでした。
まとめ
前倒しを行う企業、後ろ倒しをする企業と様々ですが、成果はまちまちの様子です。
その背景にはWEB販売の大きな成長があります。WEB販売はいつでも利用することが出来ます。そして毎日のように「1000円OFF」のクーポンなどでセールが行われています。
また毎週末、週替わりでセールを行うファストファッションチェーン店の影響も大きいと思います。
各アパレルの品揃えも、以前の様にシーズン毎のMD戦略から、月、週毎のMD戦略へと変化しています。
近年の異常気象によって毎年気候は大きく変化をしています。
そんな中、今必要なのは、『欲しい商品を、欲しい値段で、欲しい時に』をどうやって実践するか?という事のようです。
海内 孝治
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