ファッションにおける化学繊維|リヨセル・テンセル
アパレルアイの福永浩士です。
これまで2回続けた「化学繊維」シリーズ。今回が第3弾、「リヨセル・テンセル」について解説いたします。
目次
- リヨセル・テンセルは一緒
- テンセルの特徴
- カテゴリーが変わった!
- まとめ
リヨセル・テンセルは一緒
リヨセルとテンセル、実は二つとも同じものです。製造した会社が違うので、会社ごとに商標が違うのです。リヨセルはオーストリアのレンチング社、テンセルはイギリスのコートルズ社の商標です。現在両社は合併し、ブランド名を「テンセル」、総称を「リヨセル」としています。
ユーカリを特殊な溶剤で溶かして作られる再生繊維です。石油が原料でないこと、溶剤は回収して再利用することからエコロジーな繊維とされています。
テンセルの特徴
長所:綿やレーヨンに比べて丈夫。縮みにくく、安定性が高い。柔らかな風合いと適度な光沢感がある。繊維が柔らかく、ドレープ性がある。吸湿性に富む。ハリ、コシ感、弾力性がある。
短所:摩擦により、毛羽立ちや白化しやすい。濡れると風合いが固くなる場合がある。
用途:デニムなどのカジュアル衣料、ニット類、ユニフォーム、寝具類
カテゴリーが変わった!
実は家庭用品品質表示法が2017年4月1日に改正されました。(1年間の移行猶予期間)改正によりリヨセル・テンセルは「再生繊維」のカテゴリーに入りました。これまで洗濯ネームへの表現としては「指定外繊維(テンセル)」でしたが、現在は「再生繊維(テンセル)」というように変わっております。再生繊維としては新参者です。
コートルズ社がテンセルを試験生産したのが1988年。繊維の世界でも新参者の部類ですね。
まとめ
吸湿性はコットンの約3倍、ウールの約2倍。寝具にも使われるくらいの素材ですので、肌触りはもちろん良いですし、汗をかきやすい夏場には大活躍の素材です。これから購入される商品にはテンセル入りの商品をよく目にするようになるかも知れませんね。
当社商品でもテンセル素材のパンツが好評頂いてます!商品を選ぶとき、デザインや価格も大切ですが、素材の面からのアプローチもしてみてはいかがでしょうか?
福永 浩士
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